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蔵土壁補修工事

今回は、蔵の外壁上部にある土壁の補修工事を行いました。
地震の影響により、土壁の一部にひび割れや剥がれなどの傷みが見られました。地震発生からしばらく時間が経過していましたが、今後も安心して使えるようにしたいとのご相談を受け、今回工事を行うこととなりました。

蔵は、一般的な住宅とは異なり、昔ながらの構造や素材が使われていることが多く、補修の際にも建物の状態に合わせた丁寧な施工が大切になります。今回も現地で状態を確認しながら、下地を整え、補強のための網を施工し、最後に漆喰で仕上げる流れで工事を進めました。施工後は、傷んでいた部分がきれいに整い、見た目の印象はもちろん、今後の保護という面でも安心感のある仕上がりとなりました。

目次
■ 工期について
工事までの流れ
① お客様からのご相談内容・工事をしようと思った理由
② 現地確認・施工前の状態
③ 実際の工事内容
④ 完成・最終確認
お客様の声
まとめ

■ 工期について

今回の蔵の土壁補修工事の工期は、乾燥期間を含めて約2週間程度でした。
土壁や左官材は、塗って終わりではなく、しっかり乾かしながら工程を進めることが大切なため、仕上がりと耐久性を考えながら無理のない工程で進めています。

工事までの流れ

① お客様からのご相談内容・工事をしようと思った理由

お客様から、地震の影響により蔵の土壁にひび割れや剥がれなどの傷みが見られるため、補修したいとのご相談をいただきました。

大切な蔵を今後も安心して使い続けられるよう、傷んだ部分を確認し、下地補修から漆喰仕上げまで丁寧に施工することになりました。

② 現地確認・施工前の状態

現地確認では、蔵の外壁上部、軒下の土壁部分に傷みが見られました。写真からも、既存の土壁に剥がれや欠損、ひび割れ、浮きなどが出ていたと考えられる状態で、部分的に下地の状態まで確認しながら補修を進める必要がありました。

また、梁や木部まわりには、古い蔵ならではの味わいある風合いが見られましたが、こうした建物は新築のようにすべてが均一ではないため、既存の状態に合わせて施工内容を調整していくことが大切です。傷んでいるところだけをただ埋めるのではなく、補修した部分がしっかりなじみ、今後も安定した状態を保てるようにするため、まずは足場を設置し、安全を確保したうえで作業に入りました。

③ 実際の工事内容

まずは足場を設置し、作業範囲をしっかり確認しながら施工を開始しました。高所作業となるため、安全面に配慮しつつ、既存の土壁の状態や周囲の木部との取り合いも確認しながら進めています。

蔵の土壁は本来、木舞を下地として、荒壁・中塗り・上塗りといった工程を重ねて仕上げていく伝統的な構造です。今回の補修では、既存の状態を活かせる部分は活かしながら、傷みのある箇所については下地を整えるところから進めました。まずは補修部分に下地材を入れ、壁面の安定を図りながら、仕上げ材をしっかり受けられるように調整していきます。

その後、補強のために網を施工しました。補修部分は既存の壁との境目が出やすいため、この工程をしっかり行うことで、仕上げ材の密着性を高め、ひび割れを起こしにくくすることにつながります。写真からも、下地の上に網を伏せ込みながら、丁寧に左官材を塗り重ねている様子が分かります。

網の施工後は、左官材を使って面を整えながら補修を進めました。土壁補修では、厚みや周囲との納まりを見ながら塗り重ねることが大切で、建物ごとのわずかなゆがみや不陸にも合わせていく必要があります。今回も、既存の壁とのつながりを見ながら、自然な仕上がりになるように調整しながら施工しました。

補修材を塗った後は、すぐに仕上げに入るのではなく、しっかり乾燥養生の期間を設けています。土壁や左官材は乾燥が不十分なまま次の工程へ進むと、不具合の原因になることがあるため、仕上がりの安定を考えて乾かしの時間をしっかり確保しました。

最後に、表面を漆喰で仕上げました。漆喰は白く美しい見た目だけでなく、蔵らしい落ち着いた雰囲気にもよく合います。補修部分だけが目立ちすぎないよう、全体の印象を見ながら整え、すっきりとした表情に仕上げています。

④ 完成・最終確認

施工後は、傷みが見られた土壁部分が白くきれいに整い、全体としてすっきりとした印象になりました。補修前は気になっていた剥がれやひび割れのある状態でしたが、下地からしっかり整えたことで、見た目だけでなく保護性の面でも安心感のある仕上がりになったと思います。

また、蔵の持つ昔ながらの雰囲気を損なわず、必要な部分を丁寧に補修できたことも今回のポイントです。古い建物は、その建物ごとの特徴を見ながら手を入れていくことが大切ですが、今回も現状に合わせた施工で、無理のない自然な納まりに仕上げることができました。

まとめ

今回は、蔵の土壁補修工事として、傷みの見られた外壁上部を下地補修から丁寧に施工し、網伏せ、左官補修、乾燥養生を経て、漆喰で仕上げました。土壁は日本の伝統的な工法ならではの良さを持つ反面、補修の際には建物の状態をよく見ながら進めることが大切です。

今回のように、劣化が進みすぎる前に適切な補修を行うことで、建物の雰囲気を保ちながら、今後も安心して維持しやすくなります。今後も建物の状態に合わせて、見た目だけでなく機能面も考えた施工を行ってまいります。